歴史の長いアクションRPGの8作目、『イース8』の感想。初見でも入りこみやすく触り心地のいい作品だった。
赤毛の冒険家アドルが乗っていた客船が沈没し、漂着した脱出困難な魔の島セイレン島での冒険。
用語やキャラなど多少つながりがあるとはいえ過去のシリーズをあまり知らなくても違和感なくプレイできた。
特徴
動きがよく、斬、突、衝の三属性を活用して敵に応じてさくさく操作キャラをチェンジしつつ戦闘する子気味よいアクション。
単に島を探索するだけでなく、漂流者を見つけたり、漂流村を発展させたりする楽しみがある。
ロードも早くストレスになる部分がほとんどない印象。ごほうびもあってマップを埋めていく楽しさもある。
音楽
探索の気分をこれ以上なく盛り上げてくれるテンションが高揚するファルコムサウンドは良曲揃い。フィールドのノリがいいのはもちろんだが、ラストのA-TO-Zが熱かった。
アクション
敵の攻撃を引きつけて発動させるフラッシュガードとフラッシュムーブが決まるととても気持ちいい。
ガードは失敗すると無防備になるので注意。
特にダメージの大きいボス戦では大切になってくる。
成功するとスローモーションと無敵時間がうまれ、防御的な動作から一転、反撃にうつることができる爽快感はやみつきに。
アドルのスキルは横に一閃、範囲で複数の敵を巻き込むフォースエッジの使い勝手が抜群。縦に一閃オーラブレードとあわせて使うとスキがなくなる。
スキルの性能を上げるための熟練度稼ぎが楽しかった。
専用の道具で消滅させられるハチの巣を敢えて残して、湧き出つづけるハチと攻撃では壊れない巣に向かってスキルを連打。不思議な気持ちよさがあった。
デメリットのない変更可能な難易度やレベルアップ、装備品、回復アイテム、料理などで被ダメージや不得手を補うことができる。
武器を鍛えることも可能。このRPG要素があることでアクションが楽しみやすくなっていると感じた。
個人的には、アクセサリーの聖者の指輪と狂戦士の仮面の組み合わせが使いやすかった。
迎撃戦という、探索時とはまた違う拠点を守ることを重視した戦闘もアクセントになっている。
Sランク取れると達成感があり、もらえるアイテムがうれしい。
強くなってから気軽に再挑戦できるのもよかった。
追加要素
PS4版では制圧戦、夜間探索が追加されている。
制圧戦では陣地を広げていくという通常のバトル+αの感覚を味わえる。
夜間探索は凶悪な敵が何体もあらわれたりして難易度が高め。
元から強いダーナだけど、スタイルチェンジもいい刺激になった。
専用のダンジョンもやり応えがある。
元々ミニゲームで釣りができるが、大物を釣り上げるヌシ釣りが追加されている。意外とこれがなかなか達成感ある。
物語
同じく漂流した個性的な面々と協力しながら島の謎に迫っていく物語が魅力。
会話文も豊富でいろんなタイミングで話しかけたくなる。漂流者一人ひとりに絡んだクエストがあり、それが拠点になる漂流村の発展と結びついていたりするので、より思い入れができる。
アドル目線の語り口がよかったのもあって、もう一人の主人公ダーナの存在が重要になってくるころには、壮大さを増していく世界観にすっかり引きこまれていた。
彼女の笑顔を見るために戦い抜くことができたと思う。
ちょっとしたコツ
フラッシュガード、ムーブはタイミングにやや慣れが必要。
敵の攻撃のタメを見極めるのが大事。
フラッシュガードは受付時間が気持ち長いため、敵の攻撃アクションを見たすぐ位にガードを押すのがいい。
ガードを発動させ、ガード発生中に敵の攻撃アクションに合わせ回避をするとフラッシュガードとフラッシュムーブを連続で発動することができる。
もちろんどちらかに集中するのもアリ。
タイミングの取り方としては、ただ待つより敵の動きをよく見つつ自分から当たりに行くのもひとつの手。連打は避けたい。
気になる所
元々Vitaの作品のため、美しくなっているとはいえグラフィックはPS4のゲームとしては弱め。
個性を感じられるキャラとのやりとりを通じ、やっているうちに慣れてくる。
DLCコスチュームが少ないのは残念。
まとめ
プレイヤーが向き合うリスクに対して大きなリターンがあり、カバーする方法がいくつもある。
難しくて投げ出すという心配がなく、随所にやさしさを感じられる作品。
玄人にも応える幅広い難易度設定による間口の広さも持ち合わせている。
さわっていて気持ちのいい良質なアクションRPGだった。
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