イース9 モンストルム・ノクス(PS4) の感想、レビュー

PS4

良質なアクションRPG体験ができた8のハードルを越え、新機軸の異能アクションとバルドゥークという箱庭の探索が楽しめた『イース9』の感想。

物語

数多の冒険をくぐりぬけてきた赤毛の冒険家アドル・クリスティンと相棒のドギがたどり着いたのはロムン帝国の総督府と聖刻騎士団によって管理される巨大な監獄のある都市バルドゥーク。アドルはその功績から要注意人物としてマークされ、なんと投獄されることになってしまう。

一方バルドゥークでは怪人と呼ばれる常軌を逸した能力を持つ者が世間を騒がせていて、アドルが脱獄するのと同じころ、アドルによく似た赤の王という怪人が現れる。

謎めいたまま時系列がちょっと異なる赤の王と囚人アドルを交互に追っていくように進む。

章を追うごとに最終的にパーティインする赤の王以外の5人の怪人たちの人となりについて理解が深まる。これだけ人数いればちょっと思い入れの少ないメンバーも出そうなものだけど、このキャラあんまり気に入らないってならないのがすごい所。怪人たちの活動を支援する酒場ダンデリオンに集まっていく個性的なキャラクター達も印象深い。

意外だった!と思えた所がたくさん。

こうなんじゃないか って想像を越えてくる展開が多く、監獄の謎、赤の王の真実をはじめ怪人たち、そしてアドルにまつわる秘密が次第に見えてきて、後半になるにつれ壮大になっていく展開に先が気になった。

核心が最後までつかめないのも面白い。この引きこまれる感じは前作からパワーアップした魅力だと思う。

プレイ感

8から引き継がれた安定感のあるアクション

○で通常攻撃。気軽に連打でき、R1+○×□△で対応したスキルをSPを消費して放つ。

通常攻撃とスキルを組み合わせるとコンボになる。

敵を浮かせるとエアリアルコンボになるので、狙うならアドルのライズスラッシュや白猫のキティソルトあたりが使いやすかった。

そこからヴォイドブラストのように自身が空中にいる間に発動すると地上で発動するよりスキが少なくなる技もあったりするので、スキル同士の組み合わせも大事。

どの技を使おうか考えたり、スムーズにつながるコンボを見つけるのも楽しみの一つ。

スキルで敵を倒すとスキルフィニッシュになり、SPが多く回復するのでスキルを使いやすくなっている。

基本操作するのは三人で残りは控えに(経験値は入る)。

特定の場面をのぞいていつでも変更可能。メンバーはそれぞれ斬、打、射 の三つの属性を得意としているので、敵に応じて□で瞬時にキャラチェンジしながら弱点をついていく

今作では属性変化のアクセサリが割と早めに手に入るので編成の自由度は増してる

スピーディーに攻撃を繰り出せる白猫をよくつかっていた。あと人形の移動がローラーなのはとてもロマンがあった。

どのキャラも使い心地のよい所が必ずあって、誰をメインで戦うかは最後まで迷わせてくれた。

L1で回避。R1でガード。

敵の攻撃のタイミングに上手く合わせて回避やガードをすると、一定時間スローになり攻撃がクリティカルになるフラッシュムーブ、フラッシュガードが発動。

ガードは押せば攻撃をはじいたりダメージ減少してくれるわけじゃなくて、タイミングよく成功すればダメージを無効化できるが失敗すると無防備になるので注意。連打はさけたい

弱点をつくとブレイク状態にできる気持ちよさ、サクサク動かせてやみつきになる爽快感を味わえる。

慣れれば敵の攻撃を反射的に見切れるようになるのは確かな手ごたえがあり、プレイヤーの自分も成長したって感じられるようになってる。

ゲージがたまったらL1+R1でブースト。

ブーストすると一定時間の間、攻撃能力が高まる。時間が経つと消えるが、攻撃などを繰り返しブーストゲージはまた溜めることができる。

ブーストしてる間にもう一度L1+R1を押すとカットインとともに威力の高い必殺技がだせる。

敵の攻撃が目に見えて激しくなることの多い戦いの後半はこれで体力を削りきるのも戦法の一つ。

物語にも密接に関わる グリムワルドの夜 という普段の探索と違う戦闘もアクセントになっていた。

前作でいう所の防衛戦のような感じで、いいスコアを出せれば見合ったアイテムが得られる。ドギに話せば防衛設備の強化や再戦をすることができる。

ちょっと失敗したかなと思っても再度やりやすいのはありがたかった。

スフェンという柱を守り切るものと、ラクリマという石を全て壊せば勝利となる2つのルールがある。

異能アクション

9では異能アクションが加わった。

今までの平面上の動きだけでなく立体的な動きができるようになったのは新しい体験だった。

クリムゾンライン・・R2で視認した赤い印の所へ瞬時に移動。△で敵をターゲットしてる時に使うと敵の目の前に瞬間移動できる。要所でお世話になった。

ヘブンズラン・・L1押しながら壁にむかってダッシュすると壁を駆け上る。縦軸の移動ができるようになったこの異能が使ってて一番気持ちよかった。足跡が肉球なのが地味にポイント高い。

ハンターグライド・・×でジャンプ後長押しで滑空。ヘブンズランとあわせて気持ちよかった。

ザサードアイ・・右側のタッチパネルを押しこむと普通では見えないスイッチや足場が見えるようになる。

ヴァルキリーハンマー・・○ボタン長押しで敵のガードを崩しSP回復量の多いチャージ攻撃がだせる。

シャドウダイブ・・L2長押しで影に潜って狭い通路を移動。

ハンターグライドで壁のある所に飛んでそのままヘブンズランで駆け上る みたいに組み合わせて使うことのできる場面もある。

異能アクションはそれぞれのキャラ固有でなく、仲間として一緒に行動できるようになると共有されるのがよかった。

なので、この仕掛けでは必ずこのキャラにチェンジしないと と縛られることなくパーティー編成を好みでこだわれたのが快適だった。

白猫のクリムゾンライン!のボイスはかわいかった。

ダンジョンなどにとどまらずボス戦で活用する場面もあり、いい刺激に。

バルドゥークの街

いくつかの街区に分けられるバルドゥークの街はとても広く、ダンジョンのように行った所を自分でマッピングしていくことになる。

街の色んな所に赤い印があったりするのでクリムゾンラインを使って屋根をつたってひゅんひゅん移動したり、ヘブンズランとハンターグライドでふとあそこは行けそうかなって思った所は大体どこへでも行けるような自由度のある箱庭を散策する感じが楽しい。

ロケーションといって発見するとほうびのある美しい景観があるんだけど、これが普通なら絶対行こうと思わないだろ って所にもあったりする辺り自由度を物語ってる。

いきなり行ける場所が広大なわけじゃなく、ストーリーを進めるにつれ段階的に広がっていくので、急に放り出されるみたいなことにはならないので安心。

順を追って慣らしてくれるつくりになってる。

自分で移動するのは面倒って場合もファストトラベルがあるので楽もできる。

グラフィック

前作より質が上がっている。PS4としてはやはりパンチがやや弱めかも。キャラが魅力的なので慣れていく。

サウンド

冒険心を盛り上げてくれるような疾走感ある良曲がそろってる。

クロアカ・マキシマ、ボス戦はイースの世界に引きこんでくれるし、エル・ドラ山とシエル峡谷道のBGMはもっと探索したいと思わせてくれるほど最高にテンションが上がった

リプレイ性など

アクションが苦手でも、またヒリつくような難しさどんとこいという人にも対応する幅広い難易度設定

マッピングによる探索率をはじめダンジョンだけでなく街の各所に配置された宝箱、色んな所に散りばめられてる花びらを集めたり、その土地の雰囲気を伝える落書きを見つけたりする要素もあり、繰り返す街の散策の楽しさを後押し。

花びらや落書きはマップをよく見ると↑↓といった高低差を示す矢印がちいさくマークされていて、探しやすいよう配慮も見えた。

これらは必ずしなければならないことじゃないのもいい所。

自分はあまりこだわらなかったけど、意識してやっておくとごほうびがちゃんとあって損にはならないので、なんとなくうめたいという気になる。

シエル峡谷道はもうずっとBGMを聴きながら探索していたいと思い、無駄に行ったり来たりした。

赤の王(斬属性)が活躍できる敵の種類で、配置がほどよくダンジョンとちがって凝ったギミックもないので、不得手なフラッシュガードのタイミングをほぼ完璧にマスターできた位お気に入りの場所。

個人的にはこういう所があるのも何度もやりたくなる魅力だと思う。

気になる所

ファストトラベルでもロードがはさまる。

他にもちょっとロード多めかな と思う瞬間はあった。まあ8が爆速すぎた感じもあるし、アップデートにより体感短くなっている。

囚人のアドルを操作するパートがある。

こちらのレベルが上がるわけでもなく、怪人のような異能が使えるわけでもないという状況で、アドルを殺しにくる気まんまんな敵や触れれば即死のトラップの数々を潜り抜ける必要があるので、正直ストレスになった時もあった。

本筋ではレベルや回復アイテム、装備で不得手な人にもやさしく感じられる配慮があるのでより厳しめに感じたかも。

オートセーブに頼ってるとリトライで死んだときの巻き戻りが長めの場合があったので、囚人アドルの際はこまめにセーブしてリトライせずロードするようにしていた。

互いの行動が赤の王とリンクする7章は楽しかった。

うっぷんを晴らすかのごとく怪人たちが監獄で大暴れできるクエストもあったりする。

クエストの依頼人がいるとマップで教えてくれてる所に行っても見つけられない ということがあった。

実際はそこより低い場所に行けるところがあった ってだけなんだけどもどかしい思いもした。

どちらかというとにぶい方の自分はちょっと気になったけど察しのいい人にはそれほど気にならないかも。

一部処理落ちするような所はあった。Proだと違うかもしれない。

動きにぎこちなさを感じる所も・・とはいえ操作感の良さが打ち消してくれてる。

まとめ

今までと何かちがうなという不思議な印象で始まったけど、最初の頃は想像もしなかったすがすがしいラストを迎えることができた。

特に最後の戦いその後の決断に導かれる展開は心に強く響いた。

シリーズをやってきた人にはたまらないだろうと思うし、全て知ってるわけではない自分でも流れる涙をこらえることができなかった

物語の引きのよさでプレイする手は止まらず、ちょっと気になった部分も最後にみられた笑顔でふきとんだような心地になり、いつの間にか離れがたくなってたというか思い入れがたっぷりできてたんだなと気づかされる。

イース8で安定感を味わわせてくれたアクションにヘブンズランで壁を駆け、ハンターグライドで宙を舞ったりできる異能が刺激になって、できなかったことができるようになった楽しさ、新しさを味わえた作品。

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