2002年、PS2で発売。
口笛と荒野のRPGの3作目である『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード』の想い出を振り返りながらの感想。
面白い所、特徴など
個性的な登場人物たちが織り成す先が気になる物語。
こだわりのテキストの魅力は健在で、今作ではルビがでるようになり熱さが増した。
心に残るセリフがたくさんあって、専門用語にもフォローが入るように。
主人公と仲間の4人のメンバーそれぞれがメインストーリーに密接に絡み合って掘り下げられるので、自然と思い入れができる。
パーティー全員がARM使いで、銃を主体とした戦いを満喫できる。
FPがたまっていく戦闘は前作のいい所を引き継いでいて、演出もパワーアップしており楽しめた。
ARMの弾を全弾撃ち尽くすガトリングの要素が加わり爽快感もある。
スキルのファイネストアーツを発動させるのも熱かった。
馬に乗ったまま戦闘できるので西部劇の雰囲気ばっちり。
グッズなどを駆使した謎解きは歯応えあり。
当時パスワードを入力する仕掛けに惑わされ、自力では分からず、ネット環境もなかったので、週刊ファミ通の攻略記事を今か今かと待ったのもいい想い出。
戦闘、イベントシーンの本の中にいるようなグラフィックの良さはハードがPSだった前作から質が上がっている所。
2丁拳銃をかまえるヴァージニアは可憐であり、カッコよくもある。
他にはカスタムできる砂上戦車戦、ロンバルディアの空中戦なんかもあって、RPGというジャンルのいいとこどりのような欲張りさもあった。
個人的に感情移入したのが、やはりシリーズではめずらしい女性主人公ヴァージニア。
青臭くても、壁にぶつかりながらも、やがて飛び方を覚えて羽ばたいていく鳥のように成長していく姿にはとても勇気づけられた。
心が熱くなるイベントも多く、現実でうちのめされていた自分にはとても響いたと思う。
自分の前から姿を消していたのにふたたび現れた父親を追って旅することになるが、そのやり取りや秘められた真実は心に残る。
ヴァージニアたちが荒野を旅した末にたどり着いた答えは らしさ にあふれてた。
敵役のジェイナスやシュレディンガー一家も個性的。
終盤はメンバー1人1人にスポットが当たる展開だったのもあり、エンディングの Wings が流れた時、苦楽を共にした仲間たちとの旅路が終わると思うとさびしくなった。
実はラストバトル前にいったんぱったりプレイするのをやめていた位、終わりたくなかった。
そういうゲームは数少ない。
スタッフロールが流れる間、印象的な場面の写真が流れるのも本当にズルいと思った。
歌の歌詞にプレイヤーの自分との共感が高まり、物語を追想させられるようなフレーズにさしかかる頃、がまんできずにぽろぽろと涙がこぼれていた。
ワイルドアームズという作品はいつだって心を震わせてくれる。
このシリーズがあったから今もゲームを続けてると言ってもいい位。
BGM
なるけみちこ氏の手掛けるBGMはシリーズで最も荒野を旅している感が満載。
フィールドの渡り鳥無類、戦闘のガンメタルアクションは口笛が気分を盛り上げてくれる。
Ready!Lady Gunner!!は今も勇気をもらえる。
麻生かほ里氏が力強くも繊細に歌い上げるエンディングテーマの Wings も最高だった。
中断した時に流れる歌の 夜空しかしらない も胸がしめつけられるような切なさ。
こちらはサントラだけでなく、ワイルドアームズヴォーカルコレクションにも収録されている。
気になる所
回復アイテムの主な入手法がガーデニングと限られていたのは気になった。購入できてもよかったかなと。
あとラストバトルはちょっと長い かも。
まとめ
それはきっと、いつか想い出になる物語
というキャッチコピーにいつわりなく、4人の渡り鳥たちの旅路は今も確かにこの胸に刻まれている。
前作とはまた違った感動が味わえた、忘れがたい作品。
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