ワイルドアームズ2ndイグニッション(PS)の感想、レビュー

PS1

ゲームで感動したことってある?

わたしはこの作品で初めて泣いた。

個性的な進化を果たした荒野と口笛のRPG2作目、『ワイルドアームズ2ndイグニッション』の感想。

2nd単体で世界観が確立してるので前作未プレイでも問題ない。自分のワイルドアームズデビュー作。ゲームアーカイブスでもプレイした。

オープニングアニメ

2種類のオープニングアニメーションは今見ても鳥肌もののクオリティ。

テイルズオブデスティニー、テイルズオブファンタジアのオープニングを手掛けた方によるものと知って思わず納得。

キャラの魅力がにじみ出ていた。

流れる歌の どんなときでも、ひとりじゃないResistance Line も心に残る。歌詞が仲間の誰の心情に置き換えてもしっくりくる。

このクオリティのものを当たり前のように堪能していたのは本当に幸せなことだと思う。

熱いストーリーとテキスト

今作は抜群のセリフ回しストーリーが熱い

世界征服をくわだてるテロ組織オデッサに対抗するため結成された部隊 ARMSとしてファルガイアを巡る過程で、やがてオデッサをこえる世界を脅かす危機とも直面することになる。

個性的な登場人物たちがそれぞれの守りたいもののために、苦悩しながら英雄という言葉と向き合う姿がていねいに描かれる。

個人的には勇気を示すブラッドの真実が印象深い。あとリニアレールキャノンを持って現れるブラッドの帰還は最高にカッコよかった。『英雄』は死なないッ!

進めるごとに最初はバラバラだった国家や人々が結びついていくのを確かに感じ取ることができ、作品のテーマである「英雄とは?」という問いの答えにたどり着くラストバトルが胸を打つ。

やってきたこと、旅路のすべてに意味があったことが伝わり、世界を救うのは一人の英雄ではなかったのかもしれないと気づかされる。

どんなときでも、ひとりじゃない と、オープニングを思い出させてくれるBGMとともに紡がれる言葉に胸がいっぱいになる。

誰かが英雄になれるなら、誰もが英雄になれるはずという画面の向こうの自分にまで迫るようなメッセージに触れた時、ちっぽけで無力な人間だと自覚したプレイヤーの自分をも肯定してくれるような希望を感じられ、自分とファルガイアを隔てるものがなくなって物語への共感が最高に高まる

そうなったらもう我慢なんてできず流れる涙がとまらなかった

今までいくつもRPGをプレイしてきたけれど、その中でも屈指の最終決戦だと思う。

共感できる物語にここまで人の心をふるわせる力があるとは、本当にすごいと思う。

昔、ワイルドアームズを知らなかったころ、友人が過程をすっぽかしてラストバトルだけ見せてくれたことがあった。その時、何の感慨も抱かなかった自分にこう言いたい。

「通してプレイすれば伝わるものが必ずある。」それがワイルドアームズ2ndという作品なんだ と。でも今ならラストバトル(とトカ&ゲーのやりとり)を見せてくれた友人の伝えずにはいられなかった気持ちも分かる気がする。

その他の特徴

アクセスッ!でおなじみになる危うさを抱えるヒーロー然とした焔の騎士ナイトブレイザーへの変身、ボス戦前の演出は特撮を意識した感じ。作り手の好きという気持ちが伝わってくるようで、心をつかまれた。

一回しか使われないような曲にも魂が宿っているような、なるけみちこ氏のBGMは耳に残るものばかり。フィールドの彷徨とLast IGNITION、それにテンポのいいダンジョンの曲が好きだった。

何気ない街の人の言葉にもこだわりを感じられる。テキストがとにかく魅力的。

フォースという行動で増えていくポイントがたまれば自由に魔法や必殺技を使える戦闘システムは新しかった。

戦力がインフレ気味なのも全体の楽しさにつながっていた。

ボム・アンカーフックのようなグッズを使ったパズル要素のある謎解きも特徴。知恵が必要な場面もあり、歯ごたえと達成感がある。

あやし屋本舗という場所に、種類豊富なグッズによって熱ッ!はうッ!とか色んな反応をしてくれるいじめてくんというマスコットがいて、よく使ってたのはここだけの話。

街やダンジョンの場所を探るサーチシステムは、アイテムが見つかることがあるのはうれしかったけど、ちょっとやっかいだった。

不意打ちと強敵以外の遭遇を遮断できるエンカウントキャンセルは便利。おかげでスイスイ進めたと思う。

多くの隠しボスがいて、アンゴルモアがかなり強かった印象。たとえ強敵でも行動パターンを把握し、リングとか対策を怠らなければ勝利できるバランスは絶妙。

プレイヤーの個性が出せるパーソナルスキルは、状態異常を無効にするのがおススメ。即死、混乱、麻痺が対策できるとストレスを感じにくくなると思う。

トカ&ゲーという型破りな名脇役がいたことも忘れられない。

主人公のアシュレーやリルカを交えて世界観がどこかへいってしまった漫才のようなぶっとんだ会話の応酬に笑いをこらえきれなかった。

気になるところ

戦闘画面の3Dグラフィックが見劣りしてしまうのと、戦闘演出のテンポがやや遅めなのが気になるかも。2Dグラフィックはいい味だしてる。

キャラ使用感など

アシュレー

聖剣アガートラームと焔の魔神ロードブレイザーの力を内的宇宙にやどし、ナイトブレイザーにアクセスできるのが強い。

隠しボス相手には炎属性で吸収されやすいガンブレイズより、無属性で強力なまけんルシエドが役立った。

ノーマル状態でもフルフラットはなかなか強力で、単体をターゲットにするアーム5つ位を弾数だけ最大改造しておいて放つだけで、8000~10000近いダメージを期待できたりも。

リルカ

魔力がティムより低かったり残念と思いきや、初期からいるおかげとパーソナルスキルのHPアップでHPが高めだったのもあってなんだかんだ一番お世話になった。

隠しボス相手でも、Sクレストグラフで作った魔法とパワーブースター装備、デュアルキャストで弱点を突けば40000ダメージとかたたきだせるポテンシャルを持つ。

ミスティック+いのちのオーブでハイ・ヒールを全体化できるのも態勢立て直しに大助かり。

地味にステータス異常を回復するレストア、敵の反応を下げるスロウダウンにもお世話に。

ブラッド

序盤はたよれるダメージ源。

終盤になると、フォースアビリティのロックオンプラスやブーストアタックを使うターンが余計にかかることが少しずつネックになってくる。

アームはリボルバーキャノンとリニアレールキャノンを攻撃力全ふりで改造しておいて損はない。

ティム

ガーディアンロアは自身がとどめをさしたら技を覚えるのに必要な回数としてカウントされるので、弱い敵との戦い(タウンメリア周辺のバルーンとか)でオートアタックのノーマルアタック、他2人は手動で防御とやってると楽だった。が若干の作業感はぬぐえず。

ネクロノミコンを装備した(しなくても)魔力は魔女っ娘のリルカをゆうに超え、全体回復のファーストエイドの回復量がすごかったり、ブレイブランサーの攻撃力の高さにはお世話になった。

HPが低めに感じるのはネックかも。

カノン

シルエットアームはFPが貯まった時点から強力な技を使い続けられるので、最終盤はブラッドの出番をうばっていた形。

技は派生してひらめく形をとっており、ふつうにやってると最終技のビートイングラムはぜんぜんひらめかないけれど、レイライン観測所のジェリーブロッブ相手なら、通常攻撃とアーム攻撃がまったく当たらないのでひらめくまで好きなだけ技を使い続けることができる。

重甲ビーファイターを想い出した。

マリアベル

レッドパワーは敵にアビリティドレイン成功で習得する形。

また状態異常にする技の成功確率にも影響するのでラックが超大事に。

なのでBESTになった時は、宿で休んでもラック変動がないくまのぬいぐるみを身につけさせたりした。

隠しボス相手でもスーパー役立つのが、パワーシール(技封印)、スリープ(眠り)、ステータスロック(1人対象にステータス異常防止)。

まとめ

初めてゲームで感動した作品で、RPGにおける物語のもつ力を強く感じられる人生に影響を与えたであろう一本。

この作品をやったことでゲームから離れられなくなった。

もし一番好きなRPGは?と聞かれたら、迷わずワイルドアームズ2ndイグニッションと答えるだろう。

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