ニンテンドー64で発売された風来のシレンシリーズのナンバリング2作目、『鬼襲来!シレン城!』の感想。
面白い所
不思議のダンジョンは、失敗から学ぶという人生に近いものがあると感じる。
フロアやアイテム、敵、ワナの配置がランダムなので、1プレイごとに違う展開になるのが一生ものの面白さ。
とはいえ、やられるとレベルも装備も1からになってしまい、失敗が続くとめげてしまいそうなもの。
しかし、2では装備の強化にくわえて「城づくり」の要素がRPG的な積み重ねを可能にしていて新鮮だった。繰り返しのプレイも苦になりにくい作り。
木や砂鉄などの城づくり用アイテムを持つと、冒険に必要な道具を持つための空きが圧迫される。
よい素材なら2つ分とかアイテム欄が埋まってしまうため、城づくりを優先するか冒険を優先するかの判断を迫られ、とても悩ましくもあり楽しかった。
定期的に鬼が城に攻めてくるので、緊張感もあった。
城づくりのため幾度となく挑戦することになるシュテン山道には、初級、中級、上級があり、難度の高いほうがいい素材を手に入れられる。
鬼に壊されないよう丈夫な部品を集めてつくるため、あえて厳しい道を進むもよし。
リスクは冒さず必ず生きて帰るつもりで、何度も壊されるのを繰り返しながら比較的安全な道を進むもよし。
そんな迷いもまた一期一会の探索の奥深さに結びついていた。
せっかくつくった所が壊されるのは結構くやしかったりする。
ドラクエでおなじみのすぎやまこういち氏による和風なBGMも耳にのこる。最初はお散歩くらいの気軽さがあるのに、だんだん怖くなってきたり。
アイテムを飲みこむマゼルンというモンスターを上手く利用して、過去作ではできなかった草と武器、盾を合成できる異種合成もある。
弟切草とか普通に使用する以外にもメリットができて強力だった。もちろんただでとはいかず、飲みこんだマゼルンをきっちり倒す必要がある点でリスクとリターンのバランスが見事にとられている。
手に入れた装備を飾る という合成するのとも捨てるのとも違う無駄にならない選択肢があったのが地味によかった。
シレン少年と鬼退治にからんだ少女の恋心があったりする物語も見どころ。
どうしても難しい!っていう時にはパスワードを入力するおまじないを使うこともでき、詰まないようにするための救済措置もぬかりない。
クリア後は、ここからもっと楽しめるよと言わんばかりの、もののけ王国や最果てへの道といった更なるやりこみ要素もある。
初心者から玄人まで応えてくれる間口の広さと、簡単に極められない奥深さが両立しているのがシレン2の魅力。だけど、なによりストーリークリアの敷居が高すぎないのが個人的にはうれしかった。
気になる所
攻撃時、ズームになる演出があるけど、設定でオフにもできるのでスーファミの頃に近い感覚でプレイできる。
フロアの入り口にワナがあったり、容赦ない部分はあるのだけど、それ以上に継続して挑戦する気にさせてくれる工夫が光る。
まとめ
今やっても面白さは不変。中毒性が高く何度もプレイしてしまう。
VCによる配信もないので、もし64がうごいてまだやったことがないという人にはおすすめ。もっと幅広くプレイしやすくなってほしいなあと願っている一本。
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