99年にプレイステーションで発売。
クロノの名を冠するが、スーファミの『クロノ・トリガー』の続編、というよりは、世界観につながりのある新たな作品というのが正しいかも。
そんな『クロノ・クロス』の感想。
面白い所、特徴など
トリガーがタイムトラベルを軸にしていたのに対し、クロスはパラレルワールド つまり並行世界をあつかっている。
これがちょい複雑ではあるんだけど秀逸なストーリーで引きこまれる。
片方の世界では平穏に暮らしていても、もう片方の世界では死んだ者として存在する・・・みたいな。
2つの交わることのないはずのHomeとAnotherの世界を行き来できるようになるのが主人公のセルジュ。
もし自分がそうなったら・・・?なんて考えてしまうような没入感。
哲学的な含みがあったりして会話文も心に響く。
キッド、幼馴染のレナといったキャラや、いる世界で違いがある人間模様も魅力。
違う世界の2人を対面させてみるのも面白かったりする。
グラフィックはさすがに今見ると少し見劣りするかもだけど、PSのポリゴンの中ではそうとう質が高いと思う。
夏や南国をイメージできて美しい。
聖剣3でなじみのある結城信輝氏のキャラはどうしてもくらべてしまうトリガーの鳥山明氏ほどキャッチーではないかもしれないが、しっかり印象に残る。
セルジュにまつわる謎にも迫っていく。
物語は大きく動きを見せ、自分の姿が変わって驚いたりも。
明らかになっていく色々から目が離せなかった。
エレメントという魔法を装備させるシステムになっていて、これがジョブチェンジに近いような奥深さもあり、配置の仕方でも個性が現れる。
仲間の数が多く、それぞれに個性があり、エレメントで独自性を出せることからもパーティー編成に自由度がある。
仲間にする人を選ぶ場面もあり、周回したくなる。
シナリオの進行状況をあらわすセーブデータの表題もとてもよかった。
戦闘
戦闘はスタミナをコントロールし、弱、中、強の攻撃を当てていく独自のシステム。
攻撃後スタミナを1.0残してエレメント使用に移るのが基本か。
弱、中、強攻撃には、それぞれ命中率があり、強は命中率が低めながら弱から当てていくと命中率が上がっていく。
強いほどスタミナも消費する。
そして攻撃が当たるごとに、エレメントを使用するためのパワーもあがっていく。
これが非常に奥深い。
ダメージ重視で弱→強にいきなりつなげてみたり、弱→弱→中→中のようにアクションゲームのコンボを思わせるような連撃でエレメントの確実なパワー上げを意識したり。
戦闘が一本調子で終わることはあまりないかも。
フィールドには属性も存在し、敵や自分が使ったエレメントにより、場の属性がたまっていく。
このフィールドの属性、最後に重要な意味を持ってくるのもまたすごい所。
音楽
民族的な雰囲気もある音楽がとにかく素晴らしい・・・。
オープニングのCHRONO CROSS ~時の傷跡~ はムービーの構成、曲の盛り上がりも相まって、ぶわーっと鳥肌が。
21年経った今も忘れがたい。
そこからタイトルの神の庭へ。
これ以上なく癒され、世界観に導かれる。
効果音も心地いい。
フィールドの時の草原 ホーム・ワールドはクロノ・トリガーのアレンジで、ああクロノだなあ なんて癒されるような心地をひしひしと感じ進めると・・・
夢の岸辺に アナザー・ワールド で、まるで世界から取り残されたような、儚さというか孤独感、切なさを味わう。
はじめてトリガーで風の憧憬を聴いた時のようなこの落差にはやられた。
戦闘曲の疾風、死線 も緊迫感があり、何度聴いても飽きない。
勝利のファンファーレはもうクロノって感じでこれはクリティカル。
他にも、とてもプレイステーションの作品とは思えないような生きた音楽を全編にわたって堪能することができる。
ちょっとした情報
敵のエレメント属性のついた攻撃を受けると攻撃力がアップする魔剣士の証と、エレメント攻撃の威力を軽減できるマナフィーブルはあって助かった。
命中率を最高まで高めるイーグルアイも。
なおマナフィ―ブルはエレメントレベルの低い所に配置しても特に支障はなかった。
他にも補助系エレメントはレベルの低い所に置いておいても大丈夫そう。
回復系は回復量に差がでるので、使いやすいレベル低い所と高い所両方にあると安心。
強敵ダリオ戦ではファイアーボール戦法で挑んだ。装備はテナドロで。
エレメントをほとんどファイアーボールで埋めつくし(リデルは魔法攻撃力高いので威力あるやつも装備)、攻撃の後、敵を攻撃する赤属性エレメントであるファイアーボールで締めることで、ダリオの行動をこちらに害の少ないないスリップ(回避率を下げる補助魔法)で縛り、地道に繰り返して倒せた。
ダリオの通常の物理攻撃、ハードヒットあたりの威力はただごとじゃなく、正攻法で挑むのはやばいと感じさせてくれるボスとして心に残る。
倒すと手に入るグランドリームは最強装備筆頭でかなりうれしい。
マルチエンディングが採用されており、どのエンディングも作りこまれてる。
1周目で細かくセーブしておけばよかったかなあとも思ったり。
開発室エンドは開発者たちの色々が詰まっていて、必見。
リセットにはほんとうにびっくりした。
仲間キャラ使用感(自分の使ったやつだけ)
ラディウス
おじいさんながら戦闘では居合いを見せたりとかっこいい。
ご高齢のためかやや控えめなHPとスタミナ回復力はアクセサリで補った。
イシト
銃をつかうところにロマンがある。
能力もそつなく、色んな役割をまかせられ最後まで活躍できる。
ファルガ
剣を使うので、魔剣士の証をつけ、固有エレメントの盗むで終盤存在感を発揮。
先天水属性なので回復のケアレストを使えるのも大きい。
リデル
純粋な魔法タイプ。
魔力が高く回復、補助、攻撃の役割すべてを魔法で任せられる。
ただし撃たれ弱いのと、マナフィ―ブルとの相性はちょっと悪いかも。
グレン
普通でも強いがイルランザー二刀流は強力のひとこと。
おまけにかっこいい。
主人公との合体攻撃まで。
なくても強い。
初見でその選択肢は選ばないよなってルートでないと仲間にならないことだけは唯一の欠点かも。
オルハ
格闘少女で、適当につないでるだけでもコンボが決まるかのような爽快感がある。
先天水属性のため、強力な回復のケアレスト、スタミナを気にせず攻撃可能にするインフィニティによるサポートも心強い。
気になる所
ボスを倒すと手に入るレベルスターという形でレベルが上がるタイミングが決まっている。
そのため、こちらがザコ戦でレベルを上げてすごく強い状態で敵との戦いに臨む みたいな戦法はとれない。
ザコ戦では若干能力値はアップするし、エレメントの配置を考えなおしたりすることである程度はなんとかなったりする。
仲間を入れ替えてエレメントの配置をし直すのは若干面倒。
かといって考えず全ておまかせにしてるとちょっと大変になることもありそう。
重要なのは自分で配置して、空欄埋めを使うのがベターかなと感じる。
レベルスター制は極端なバランス崩壊が起こることがないとも言えるので、攻略法を思考するとてもRPGらしい楽しみができるということでもある。
まとめ
クロノ とついているとはいえ、クロノ・トリガーの続きという先入観あるとちょっと違う?と感じるかもしれないけど、つながる部分にはニヤリとできたり、クロノ・クロスだからこその面白みが確かに伝わるような味わい深い作品になっている。
自分は今作に出会えてよかったと感じている。
もし昔のゲームだしちょっと・・・とハードルを感じるなら、だまされたと思って音楽は一度でいいから聴いてみてほしい。
心からそう思う。
今はVitaのPSストアのゲームアーカイブスで配信されているのがプレイしやすいかも。
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