かつてPS2で発売されたハイスピードロボットアクションがPS3に最適化されより美しくなった作品、『アヌビス Z.O.E HD』の感想。
面白い所など
前作もあるが、物語は単体で起承転結ができているので、今作から触っても問題ない。
物語
採掘工のディンゴが氷山に眠っていたオービタルフレーム ジェフティの搭乗者に偶然選ばれたことから始まる戦いが描かれる。
さながらジェットコースターのように進む物語にぐいぐい引きこまれる。
アニメーション
CGムービーだけでなくアニメーションムービーもたくさん収録されているので、上質なアニメ作品を観ているような感覚にも。
とにかく展開のテンポがよくどんどん進むので、世界観にのめりこむようにクリアまでの間、夢中になってプレイできた。
キャラクター
ちょっとダークな大人な感じのする主人公のディンゴは熱い面を持ち合わせているのも魅力的。AIのADAとの掛け合いもいい。その他のキャストも安定感抜群で物語に吸い込まれる心地。
ケンの「はいだらーっ!」は意味は分からないけど勢いは伝わる名ゼリフとして今なお忘れられない。
操作感
ロボットアクションなんだけど、まるで人を操っているようなスムーズさ。
敵をつかんでブンブン振り回し投げ飛ばしたりすることも可能。ウリであるスピード感、高速戦闘を存分に味わいながら戦える。
最初はやれること多いと感じるかもしれないが、チュートリアルがしっかりしていて練習もできる。
わらわらやってくる小型の敵に対して多重ロックオンによるレーザー攻撃は超爽快。他にも味方を守りながらの戦いや大規模戦闘、名のあるパイロットとの1VS1の戦いなど単調にならないシチュエーションもある。
接近戦では切り結んだり、大型射撃のベクターキャノン、ゼロシフトによる瞬間移動などの各アクションもカッコよくてしびれる。使いこなしたいとその気にさせてくれる。
演出
名作ロボットアニメがフラッシュバックすることもあるような、それでいて新しい映画的な演出の数々も印象的。
タイトルのアヌビスが宿命のライバル機ってのもいちいちよかった。主人公機のジェフティ、アヌビスのデザインは秀逸。
音楽
オープニングの Beyond The Bounds はクセになるボーカル曲。
その他ちょっとした小ネタなど
同社作品のメタルギアでもあった小ネタだが、イベントシーンやコクピットカメラのカメラワークをスティックで自分の気になるほうへ少し動かしたりフォーカスできる。
この辺は映像作品じゃないゲームならではの携わり方だなあと感じる部分。
難易度選択にも幅がある。
気になる所
プレイ時間は長くないため、ボリューム的に物足りないという人もいるかも。その分、濃密な体験ができる。
一部、謎解きや使いなれない操作が必要な場面がある所は、全体のテンポがいいだけにちょっとだけ引っかかる。
まとめ
PS2の名作が思い出の中で美化されたイメージそのままにプレイできる。PS3パッケージ版の場合はアップデート必須、もしくはベスト版がいい。
最近少なくなったロボットアニメに飢えているという人にもおすすめできる作品。
現在はVR視点にも対応したPS4のマーズが発売されている。
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