これをやらないのはもったいない。ライブ・ア・ライブ(SFC、New 3DSバーチャルコンソール)の感想、レビュー

SFC

94年発売。毛色のちがう複数の主人公を選び物語を進める90年代を感じるスクウェアのスーファミRPG、『ライブアライブ』の感想。

発売当時はこのタイトルのことを知らず、何年も経ってからゲーム誌のアンケート記事などで目にすることがあり気になってたのでプレイ。

メインの主人公7人は、名探偵コナンの作者などそれぞれ有名な漫画家がキャラクターのイラストを担当している。

戦闘

見えないマス目を動くような戦闘で、自分が移動したりある程度行動すると敵にターンが回って行動してくる。

あとは敵との間合いとこちらの攻撃の範囲で出せる技を選ぶ。そこまで難しいシステムじゃないし、MPもないので気軽に技が出せて気持ちよく楽しめる。強力な技はタメ時間があるので注意。

戦闘時のグラフィックは等身が上がってるのも雰囲気が伝わっていい。

一戦闘ごとに体力は回復するし、一部ボス敵などをのぞいて必ず逃げることができるのはうれしい所。

BREAK DOWN という要素もあり、複数の敵をあやつるリーダー格を倒せば他の敵も一気に倒せたりする場合もある。

物語

時代も場所も異なる7人の主人公のシナリオを追っていく。

現代編

ストリートファイターとロックマンをオマージュしたような感じ。強敵を相手に最強を目指す。

ほぼ戦闘しかないので戦闘システムに慣れるのにぴったり。敵の攻撃を受けて技を習得するラーニング要素があるので、HPが回復する気合いためが地味に大事に。選択は自由だけど選ぶ順番によっては若干難易度が変わるかも。森部のじーさんの奥技、めっちゃ頼もしかった。

西部劇編

賞金首のサンダウン・キッドは訪れた町でならず者の襲撃から町人を守るため、町人と自分をねらう奴とも手を組み、O・ディオを撃退する。

制限時間内に町をくまなく調べてワナを入手、あるいは作り、それを町人に設置してもらうのがポイント。

パチンコ、ダイナマイト、スコップなどで最後に戦わないといけない敵を減らすことができる。火炎びんは戦闘で役立つ。戦闘が少ないのでこのシナリオも最初のほうでやるのに向いている。サンダウンのカッコよさは際立つ。

宇宙編

最後の戦闘以外はほぼアドベンチャー。カトゥーというスタッフに作られたロボット キューブとして、宇宙船で起こる奇妙な出来事に対面していく、恐怖感のあるシナリオ。人間について考えさせられる。最初反目してたけど、なめるなよ・・の伍長が熱かった

近未来編

レベルも上がりRPGっぽい(RPGなんだけどね)。

孤児院で育ったやんちゃな青年アキラは人の心を読む念力を持っていた。その力はやがて地下に眠るロボット魔神のブリキ大王を動かすことにつながっていく。

通りすがりの・・・たい焼き屋サンよ!の松がかっこいい。歌詞がついたブリキ大王のテーマもまるで歌が聴こえるよう。

短い期間なので注意だが、アイテムの改造がけっこう重要で、失敗した時も元になったアイテムはなくならないので、何度もチャレンジ。

遠距離攻撃手段の昭和ヒヨコッコ砲とか、上位装備を作っておくと少し楽。ブリキ大王を動かす展開は熱く、戦闘もいい大味さがあった。

功夫編

心山拳師範の老師は肉体の衰えを悟り、自身の拳法を受け継いでくれる後継者を探しに山を下りる決意をする。

衰えてるといっても反撃多めで老孤の舞は強かった。RPG的に進むが老師のレベルは上がらない。なんといっても一番の特徴は弟子を取ること。

3人の弟子たちは老師との修行で能力を高め、技を習得していく。自分はレイ・クウゴを重点的に鍛えた。紅一点だったのもありなんとなく。

状況によっては修行中バグが発生することもあるようだったが、すでに覚えた技は使わないよう心がけていた。まだわからんか・・・心じゃよッ!がしみる

原始編

言葉がなく、動きとふきだし、ボディランゲージで話が展開。そこリアルにするかあと斬新だった。最初の集落、荒野でアイテムを組み合わせ合成ができる。

ポゴのとなりの部屋ではちょっとしたミニゲームが。話しかけるごとに人が増え、20人目に来た人に話しかけると、合成に必要なアイテムを一気に複数個ゲットできる。コツとしては18人(部屋には19人)数えた所でやめ、入り口をふさいだ状態で一人増やし、最後に下をむいて話しかけると確実。これをやっておくと後が楽に。バッグとドレスをまとったべるが意外と強かった。

章末のボスより強い隠しボスのキングマンモ―は知を上げる装備で身を固め、運が良ければなんと眠らせながらハメることができる。運が悪いとあっという間にやられるが、エンカウントするまでの方が難しかった印象。

幕末編

忍びのおぼろ丸はとらわれた要人を救出する任務を与えられ城に潜入する。

この話の特徴は敵シンボルからは隠れミノで隠れることができ、出会う敵や人を斬るかどうか選べること。スニーキングミッションみたいな楽しみ方もできるし、片っ端から斬っていくこともできる。

100人斬りするか0人斬りで終えるとごほうびがある。自分は0人斬りでチャレンジしてみた。城の構造や仕掛けはそれまでのシナリオとくらべるとやや複雑だが、先人の知恵のおかげで達成感を味わうことができたと思う。一定時間ごとに鐘が鳴るけど、時間制限というわけではない。またこの章にも隠しボスがいる。

中世編

7人の主人公をクリアすると出現する語り草になっているであろうシナリオ。剣士オルステッドは友人のストレイボウ相手に武闘大会を勝ち抜き優勝を果たし、ルクレチア国の姫を妃とした。しかし幸せもつかの間、魔物に姫をさらわれてしまう。魔王のもとへ向かうオルステッドだが、そこから物語は思わぬ方へと転がりだす・・・。

人間って一体 と考えさせられるような起伏のある展開を見せて衝撃を受ける。ゲーム史に残るような名ゼリフを聞くことになるだろう。オルステッドの深い絶望と悲しみは印象深い。一番好きなシナリオになった。

最終章

色んな時代で最後に現れ立ちはだかった者の正体を知ることになる。

魔王によって引き寄せられた7人の主人公達が力を合わせ魔王と対峙する。

自分は主人公には移動速度が速くなるおぼろ丸を、仲間にはハリケンショットが強力無比だったサンダウンをむかえたことでかなり助かった。

ただサンダウンは仲間にするのが超絶面倒なため、主人公に選ぶのもあり。

音楽

マリオRPGや聖剣伝説LOMなどでおなじみの下村陽子氏のてがけるBGMがどれも個性的。

各話を通してボス戦で流れるメガロマニアは、メロディアスでノリがよくテンションのあがる名曲。

特に中世編での流れ方はひと味ちがって鳥肌がたった。ブリキ大王は歌いたくなる曲だし、エンディングのメドレーもよかった。

気になる所

戦闘はいいとして、通常の画面だとFF5を思い起こすようなドットキャラの小ささなので、個性的なキャラデザを堪能しにくい。要脳内補完。

自分はVCでプレイしたが、電子説明書でもイラストを見られるわけじゃないのでそこの楽しみ方ができないのはもったいないかもしれない。ちなみにエンディングまで観ると・・・。グラフィック自体は動きがあったり細やかで悪くない。

イベント進行のフラグや導きがやや分かりづらいことはあるかも。

まとめ

異なる主人公達によるエピソードはどれも個性的。中でもやはり中世編のインパクトは大きかった。数々の名言も印象深い。

BGMもすばらしく、エンディングの演出もプレイしてよかったと思えるものになっていた。

人間とはと思わず考えてしまい、どの人の心の中にひそんでいてもおかしくない魔王の存在について強く感じさせられるような、忘れられない作品になった。

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