2006年にゲームボーイアドバンス(GBA)で発売され、PSPでも展開された独創的なシミュレーションゲーム、『ユグドラ・ユニオン』がswitchに最適化されDLソフトとして帰ってきた!
作りこまれた世界観は大好きだったけれどGBA版は難しくて途中で投げてしまった過去もあり、ずっとリベンジしたいなとは思っていた。
けれど、まさかプレイしやすくなってswitchで配信されるなんて想像もしてなかった。
あまりに嬉しかったので感想にのこす。
特徴など
当然ながら携帯モードにぴったりのゲーム性。
本格的で斬新なシミュレーション。
与えられる情報は多めだけど、チュートリアルはしっかり完備。
戦闘ではドットで描かれたキャラたちが活き活きと動く。
要所のボイス、アニメーションのオープニングデモも違和感なし。
ターンごとにオートセーブされるので、ソフトリセットと合わせてやりやすくなったと感じる。
難易度イージーもある。(選んだら変えられないが)
独創的なシステム
ターンの最初にカードを選んで、マス目を動かしていき戦闘を展開。
カードには発動できるスキル(チャプター2で解禁)と、自軍全体の移動力の合計(Mov)、おおよその攻撃力(Pow)が書かれている。
移動力は多いが攻撃力は少ない とか、攻撃力は高めだけどぜんぜん移動できない みたいなのもあるので、取りたい戦術に合わせ選択。
例えば場を整えたい時は移動力が12もあるスティールにしてみる とか。
ユニットを隣接させYで攻撃開始。
HPや体力ゲージのようなものはなく、集団 対 集団の戦い。
で、集団の人数を0にすると勝利。
攻撃は1ターンに一度のみ。敵のターンでは反撃できる。
オートで戦いが進行するが、方向キーの左右で攻撃力を下げてゲージをためるか、ゲージを消費して攻撃力を上げる という形で戦闘に介入できる。
ゲージには攻撃能力の上げ下げ以外にもとても重要な意味がある。
ゲージをMAXまでためるとスキルが発動でき、戦局を大きく左右する。
ミラノにしか、ユグドラにしか使えないといったキャラ固有のもの、汎用的に使えるものがあるので使用できるかは注意する(攻撃時表記される)。
例えばアイテムを盗めるスティールはミラノ専用。
参加した仲間への突撃や反撃をガードするエースガードはどのユニットでも使える。といった具合。
攻撃には相性がある。
剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い という三すくみをとりあえず押さえておきたい。
キャラ絵の横のふきだしで、武器の相性などを加味したバトルに勝てそうかどうかの予測が表記される。
攻撃する際に◎、〇、△、× など出るのでそれを参考に攻めるのが大事。
予測は基本的にはなかなかくつがえらないので情報の中ではかなりの重要度。
とはいえ戦闘中の情勢によっては変動することもあり絶対ではない。
スキルが使えるようになると、たとえ不利でも戦況を一変させたり、装備で相手の攻撃を無効化できたりなどといった様々な要因で勝利をたくりよせることができるようになるため。
士気というのがあり、倒したりやられると低下し、これが0になると戦闘から離脱することになる。
敵を倒す時も、何度か戦い士気をなくすというのがとりあえずの行動の指標になる。
ユニオン
タイトルにもある陣形(ユニオン)も重要。
男性ならナナメX字、女性なら縦横十字に味方ユニットを配置した状態で攻撃開始すると敵との連戦にもちこめる。
基本的には相性のいいユニットで攻撃することになるが、敵もユニオンを組んでくるので、予測を見ながら相性を考えてユニオンを配置する必要がある。
例えば敵が3ユニットでユニオンしてる時、こちらも3ユニットでユニオンしてればそれぞれで連戦を展開できる。
相手が3ユニットのユニオン時、こちらがユニオンしてない状態で攻撃された場合は、1ユニットで3連戦しなければならなくなる。
相性が良くても連戦すれば負ける可能性もでてくる。(序盤ミラノは連戦ハンデがないので強め)
これは敵に対しても同様。
もし強敵を相手にするなら、ユニオンを組めばこちらも連戦で敵を消耗させることができる。
じゃあず~っとユニオンの配置で攻め続ければいいじゃん?というわけにはいかないのが本作の奥深い所。
戦闘は経験値になるとはいえ、なるべくなら敗北せず勝利したい。
なのでユニオンの配置にして、予測の中で×とか不利そうだなってユニットがあればあえてユニオンに組みこまない判断も必要になる。
完全な勝利にぴたりとはまる戦略をたてることができるのもユグドラ・ユニオンで快感になるような楽しいポイントの一つでもあり、やり応えがある。
物語
帝国に侵攻され落ち延びた王国の王女ユグドラは、盗賊団のミラノと出会い、やがて解放軍として王国を取り戻す戦いを繰り広げることになる。
やんわりとした印象のキャラ絵ながら描かれるのは本格的な戦記といった感じ。
ハードな展開も。そのギャップもまた面白い所。
グラフィック
戦闘では細やかなドット絵のキャラたちが躍動。
キャラデザインはにくい感じのやつでもなんだかかわいかったり、魅力的。
各カードの絵柄もひじょうにいい。
システム画面は情報がぎっしり詰まってるけど、ムダはまったくない。
サウンド
BGMもテンションがあがるような良曲がそろってる。
特に戦闘で流れるキャラごとのテーマがよくて、かつてのテイルズやサガを彷彿とさせるような、90年代を思い起こせるカッコいい曲が多い。
アニメーションじゃない方のオープニングデモで流れる WE’LL NEVER FIGHT ALONE はずっと聴いていられる中毒性があると今頃気づいた。
GBA版もセレクト可能。
気になる所
フリーバトルのような自軍を鍛えるポイントがないので求められる戦略のレベルは高めかも。
オートセーブやZRでの移動の巻き戻し、ソフトリセット時に最初のターンからやりなおす選択もあるので詰んだと感じることは少なくなった。
GBA版はけっこう難しく何度も詰んだ印象があったので・・。
とにかく視覚に入る情報が多いので最初は面食らうというか、いっぱいいっぱいになるかも。
順を追って要素が解禁されるし、チュートリアルもはさまるので段々と慣れていくつくりになっている。
ちょっとした情報
使うカードは戦闘するごとにPowの数値が上昇していく。
なので、どれでもいいやとバラバラに使うのではなく、スキルが役立ちそうで移動力のあるものを序盤から集中して使うのを心がけるといいかも。
個人的に汎用系では、エースガード、サンクチュアリ、シールドバリア、マインドチェンジ あたりが使える印象。
裏技もあって、コントローラの+、方向↓を同時に押すと戦闘開始時スキルゲージMAXの機能が使える。
いろいろ考えてやってみたけどどうしてもムズいよーっていうような、にっちもさっちもいかなくなった時覚えておくといいかも。
まとめ
14年経った今でも、他に同じような作品を見ない独特なシミュレーション体験ができる。
しっかりした世界観、個性的なキャラやサウンドも合わせ古さを感じない。
オートセーブや難易度イージーのおかげでやりやすさも備えている。
今までやったことないシミュレーションRPGにふれてみたいという人には特にぴったりのやり応えある作品。
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