現代社会のどこかで行き詰まりを感じているフローレンス・ヨーという女性の生活を追っていく恋と人生の物語。
switchのインディーゲーム『florence』の感想。
特徴、面白い所など
タイトルの絵の感じのグラフィックでずっと進み、雰囲気がイイ。
共感できる他者の人生を体験できるデジタルコミックのような心地が他の作品にはなかった感覚。
いつの間にかフローレンスのように気持ちが舞い上がったり、落ち込んだりと感情移入していた。
彼女の過ごす日常のどこかの部分に自分とつながる所を感じられるからかもしれない。
本当に不思議なプレイ感覚。
所々簡単な操作で、直感的なミニゲームのような形で話に介入できる。
これが最低限の示し方なんだけど、世界観と一体になっている。
歯をみがいたり、箱を開いたりするような何気ない動作から、連打したり、絵を自分なりのセンスではめてみたり、明確な言葉じゃない感情を当てはめてみたり。
言葉で表現すれば簡単なのかもしれないけど、そうじゃなくても細かな心情まで伝わってくるよう。
この部分があることで本でも映画でもない、自分がやっているというゲームならではの感覚を味わえる。
お話への没入感を妨げず、違和感がないのはすごいと感じた。
恋のお話は幸せなことばかりじゃない。
クリシュとの出会いだけじゃなく、上がったり下がったり波があって、意外な展開も。
その時々に介入でき、自分のものとしても感情がしっかり伝わってくるから心に響く。
音楽もフローレンスの心境に合わせて、時に舞い上がり、癒されたり、時には悲しくなったり。
全編にわたってきれいな曲がしみわたる。何度も聴きたいと思えた。
気になる所
プレイ時間自体は短めであっという間に感じられるかもしれないけど、内容は詰まってるしプレイして伝わる何かがあるはず。
まとめ
自分の人生が一度きりだからこそ、他者の人生にゲームという形で入りこめる貴重な体験をさせてくれるのが『florence』
本を読んだり映画を観たりはちょっとおっくうかな・・なんて気持ちでもスッと入ってくる素敵な作品。
終わってみると、人生を前向きにとらえられるような清々しい気持ちになった。
switchでこういう知らなかった作品に出会えるのはほんとにうれしい。
スマホでもプレイ可能。
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